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四方固(しほうがため)、東西南北の結界(聖なる領域と俗なる領域を分け、秩序を維持するために区域を限ること)であるが、これも院主と長老の僧が担当する。院主と文殊仙寺住職の二人の僧右手に太刀を抜き持ち、左手に金剛鈴を持って、講堂の正面入口で太刀を3回切り合わせ、東西に分かれて呪言(呪文)を唱える。これによって講堂内に魔物が入れなくなる。
呪文は、・・・
地結(ちけつ)。金剛結。四方結。金剛結東方の憎が地結と唱えると、それをうけて西方が地結と復唱する。金剛結以降も同じ)
東方には提頭頼タ(だいずらた)天王(持国天)
南方には毘勒夜叉(毘留勒叉(びるらしゃ))天王(増長天
奉請(ぶしょう)
西方には毘楼博夜叉(毘流波叉(びるはしゃ))天王(広目天)
北方には吠尸羅摩那耶(吠室羅未拏(べいしらまな))天王(毘沙門天)
各領八万四千諸眷属等於此道場来影向証智勝誠諸願成弁
東方 南方 南無 ノ太子耶娑婆訶
西方 北方 (ここで、太刀で3回切り固める) |
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四方固・院主 |
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鈴鬼(すずおに)
2名の僧が鈴鬼に扮して舞う。最後に荒鬼を招き出す。
オレンジ色の女鬼は東光寺住職、紺色の男鬼は長慶寺住職。差定の表記とは異なっていた。
女鬼の面は白地に化粧を施し、白い和紙の髪の毛をつけている。男鬼の面は黒地。鈴鬼の面は、仏の慈悲を現している。
着衣は、女鬼がオレンジを基調に錦糸を織り込んだ錦織の袴と袖口の広いあわせの上衣を、男鬼は紺色基調の錦織で、ススキが大胆にデザインされていた。
左手に、色鮮やかな五式の御幣を持ち、右手に鈴を持つ。
少し前屈みの動作で御幣と鈴を振りながら近づいたり離れたりを繰り返す。
岩戸寺所蔵の「鈴鬼九手秘伝」の鈴鬼作法
第一 頭合(あたまあわせ) ケン(献)拝三度。後堂(講堂の仏壇の裏手)ニテ。
第二 柱合(はしらあわせ) 立ナガラ右ノ足ヲ少シフミ出シ、幣・鈴握合、順逆三反。
第三 拝(おが)ミ(み) 坐シテ左ノ足ヲ立、鈴・幣握り合、順二振ルコト三反、逆二叉ヲナジ。幣ヲ逆手ニトリ、鈴後二振り出スコト三反、叉後向ニテ同ジ。
第四 鳥(とり)毛(げ) 幣ヲ逆手二取り、鈴ヲ振り、両鬼共二内ニ二度、外ニ一度、向テ坐ス。
第五 獅(しし)翔(とび) 幣ヲ逆手待、両ノツマヲカラゲ左ノヒザヲツキ坐スコト。四方共二同様ニフミ回ル。
第六 飛駄(ひだ) 男鬼ハ内、女鬼ハ外二向テ坐ス。内ニ二度、外二一度、向テ坐ス。鳥毛二目ジ。
第七 蜻蛉(とんぼ) 両鬼後(うし)ロ合ニ立、鈴ヲ三ツ宛後ロニ振り出ス、右ノ足ヲフム事水竹ノナビク如シ。両鬼見入ルナリ。
第八 団扇(うちわ)、両鬼共ニ幣ヲ立テ手ヲ引合、男鬼ノ方ニ三度、女鬼ノ方ニ 二度フム事、男鬼内、女鬼外、向ツテ坐ス。第九 鬼招(おにまねき) 幣ヲ横手ニ待、両鬼共ニ内二向テフム事、男鬼ノ方ニ三度、女鬼ノ方ニ二度、前ニ同ジ。以上九手(鈴鬼が仏前に出るまでハヤシ。加持読経中もハヤシが入る)
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